漁業者と同様、海鳥の生活も海に依存しています。海鳥は生涯を海で過ごし、自らと子のために魚を捕ります。海鳥が陸に上がるのは産卵のとき及び雛を育てるときだけです。
海鳥にはアホウドリやより小型のミズナギドリが含まれます。絶滅のおそれのある海鳥種には以下が含まれます。
- アンティポデスアホウドリ:絶滅危惧種。2003年より63%減。毎年6%ずつ減少。
- ギブソンワタリアホウドリ:絶滅危惧種。2004年より52%減。毎年4%ずつ減少。
- ミナミシロアホウドリ:危急種・絶滅危惧種。1998年より36%減。毎年2%ずつ減少。
- サルビンアホウドリ:危急種。1978年より70%減。毎年4%ずつ減少。
- オークランドハジロアホウドリ:危急種。2006年より45%減。毎年5%ずつ減少。
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海鳥の混獲とは?

海鳥の混獲の累積的影響を示した画像 。海鳥の混獲の累積的影響及び海鳥個体群に対するその影響: 1隻 約3羽のアホウドリ 400隻 1000羽以上のアホウドリ 。
より大きく (JPG, 390K)
海鳥が鈎針に付いている餌を食事と間違え、誤って鈎針にかかり溺死することがあります。これを海鳥の混獲と称しています。
南半球だけでも毎年30,000から40,000羽の海鳥が、マグロやメカジキを獲るために設置された鈎針で命を落としています。
多くの海鳥個体群は絶滅の危機に瀕しています。アンティポデスアホウドリなどの絶滅危惧種にとっての最大の脅威がはえ縄漁業における混獲です。
1隻のはえ縄船が誤って捕獲するアンティポデスアホウドリは年間2-3羽程度で、それほど多くないと思えるでしょう。
しかし、アンティポデスアホウドリが生息する海域には400隻余りの漁船が操業しています。これは個体群を崩壊させるだけの規模であり、既にその事態が起きています。
海鳥の混獲とまぐろはえ縄事業
誰も海鳥を捕まえたくありません。海鳥がかかってしまった鈎針はマグロを獲ろうとする漁業者には役に立たないものとなり、餌は高価です。
海産物を買う人はそれがどこから来たもので、どのように獲られたかを気にします。漁業が原因で海洋の野生生物が死傷することを望んでいません。多くの小売業者は、海鳥やウミガメ、サメの捕獲を回避する漁法など、持続可能な方法で漁獲された海産物のみを販売するようになっています。
マグロ及びメカジキ漁業は、世界中で何十万人もの人を雇用しています。多くの国は、漁業で得た利益で国民の健康や教育を維持しています。これらの国において、マグロ及びメカジキ漁業が収入源であり続けることは重要です。
水産会社は消費者が求める海産物を提供するために適応しています。これはすなわち、海鳥の安全を保護する措置を実施することを意味します。
海鳥に安全な漁業ツールキットがどのように役立つか
海鳥に安全な漁業ツールキットは以下のような形で水産事業者を支援します。
- お客様の期待に適応する
- 海鳥に安全な方法で漁業を行う
本ツールキットはマグロ及びメカジキを漁獲対象とするはえ縄船向けのものです。どの大洋における漁業にも対応しており、全長約24メートル以上の漁船を対象としています。
本ツールキットに含まれている海鳥安全措置は、その効果が科学的に証明されているものです。青色染色餌やレーザーなど、漁業者が利用してはいるものの、効果が証明されていないものは含めていません。
本ツールキットには、漁船における海鳥安全措置の実施を検証する方法に関する情報も含まれています。結果に対する信用と信頼性を高めるため、独立の検証方法のみ記載しました。