電子モニタリング(EM)
電子モニタリングによる海鳥安全措置のモニタリング検証について学びましょう。

電子モニタリングにより以下のことができます。

  • 夜間投縄 のプロトコルが遵守されているかの確認。
  • トリラインが使用されているかの確認。EMで、トリラインがすべての設計仕様に適合しているか常に確認することはできません。しかし、EMと埠頭検査を組み合わせることで、仕様を満たしているとより確信を持つことができます1
  • 鈎針被覆装置が使用されているかの確認。EMで、鈎針被覆装置が仕様に適合しているか確認することはできません。しかし、EMと埠頭検査を組み合わせると、仕様を満たしているとより確信を持つことができます。
  • 水中投餌機が使用されているかの確認。EMで、投餌機から放出される鈎針の水深を確認することはできません。
  • が枝縄に装着されているかの確認。現在はEMで、錘の質量及び鈎針からの距離を確認することはできません2。しかし、EMと埠頭検査を組み合わせることで、仕様を満たしているとより確信を持つことができます。しかし、鈎針に対するスライド式錘の位置は、操業中(及び埠頭検査後)に簡単に変わります。

1. トリラインの空中範囲を検出できる特注のEMを設置することで検証担当管は、仕様を満たしているとより確信を持つことができます。

2. 加重枝縄の鈎針から錘の距離を検出できる特注のEMを設置することで検証担当官は、仕様を満たしているとより確信を持つことができます。

推奨最小要件

  • カメラですべての投縄及び揚縄を記録すること
  • 少なくとも20%の投縄及び揚縄をレビューすること
  • 実施されているすべての海鳥安全措置をカメラが捉えること

トリラインの確認

カメラの位置

トリラインの吹き流しがカメラのフレーム内に収まる位置にカメラを設置します。夜間は視界が悪くなるものの、トリラインの検出と吹き流しの確認は可能です。あるいは、乗組員による操業開始前の投縄及び操業終了時の揚縄の様子を捉える位置にカメラを設置します。

推奨映像レビュー

操業開始時及び終了時の映像

各操業で記録すること

  • 投縄開始前にトリラインが設置されていたか、また餌の付いた最後の鈎針が海に投じられるまで設置されていたか
  • 色の付いた吹き流しが使用されていたか

鳥脅しラインについてさらに詳しく

加重枝縄の確認

カメラの位置

鈎針の付いている枝縄の先端がカメラのフレーム内に収まるようにカメラを設置します。

  • 投縄時(カメラは船尾に設置)、または
  • 揚縄時(カメラは揚縄機に設置)

推奨映像レビュー

投縄時及び/または揚縄時を通じたサンプリング。各枝縄に錘が付いていたか確認します。

各投縄時または揚縄時に記録すること

  • 各投縄時または揚縄時に記録すること

加重枝縄についてさらに詳しく

夜間投縄の確認

各操業で記録すること

  • 操業開始及び終了時刻
  • 緯度と経度
  • 航海薄暮前に行われた操業の時間(分)
  • 航海薄明後に継続された操業の時間(分)

夜間投縄についてさらに詳しく

鈎針被覆装置の確認

カメラの位置

鈎針に餌を付ける工程と鈎針被覆装置の使用が確認できるよう、カメラを船尾に設置することが理想的です。あるいは、カメラを揚縄機に設置すると、枝縄に鈎針被覆装置が取り付けられていることを確認できます。

推奨映像レビュー

すべての鈎針に鈎針被覆装置が使用されたかを確認するため、投縄時または揚縄時を通じたサンプリング。

各操業で記録すること

  • 枝縄から鈎針被覆装置が欠落しているとき
  • 理想的には、鈎針被覆装置が正しく使用されていなかったとき

 

鈎針被覆装置についてさらに詳しく

水中投餌機の確認

カメラの位置

投餌機のカプセル内に餌が入っていることを確認するため、カメラは船尾付近に設置します。

推奨映像レビュー

操業中を通じたサンプリング。

各操業で記録すること

水中投餌機が使用されておらず、乗組員が手作業で餌の付いた鈎針を投下しているとき

水中投餌機についてさらに詳しく

人工知能/機械学習

Ai detecting BSL.jpg
AIが検出した鳥脅しラインが赤い枠内に表示されています。

オーストラリアの国立科学研究機関CSIROでは、船上で鳥脅しラインが使用されているかを検出する人工知能/機械学習(AI/ML)技術を開発しました。

この新技術は映像レビューのプロセスをより早く、より安価にします。他の海鳥安全措置の実施も検出できるように、今後AI/ML技術開発がさらに進むことが期待されています。

漁業用AI/ML技術についてさらに詳しく

さらなる情報

海鳥に対する漁業の影響を評価するために使われるEMに関するさらなる情報は、アホウドリ類とミズナギドリ類の保存に関する協定‐混獲モニタリングをご覧ください。